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お気に入りのコンテンツや出来事に対して感想を書くブログ。
キャラメイキング、キャラ同士の軽妙なやりとりは、さすがえんため大賞特別賞を受賞しただけはあるかと。うまいですわ。
ただまあ、得体の知れない『ふうせんかずら』を使った箱庭的なドラマ仕立てがあまりに人工的な匂いがして、ちょっと受け付けなかった。日々平凡に過ごしていたのに、いきなり理不尽な不幸に巻き込まれて、そこから奇跡が起きて前より少し幸せになるってファンタジーは、まるでKeyをルーツとする泣きゲーの手法そのもの。気に入らないのが、それをふうせんかずらという神の視点で、現実世界の文化研究部の面々を使って、実際にその手法を当てはめてみたらどうなるかと遊んでみたこと。この無邪気さが気にくわないし、神に等しい立場の作者とふうせんかずらが同じように見えて、作者のこの泣きゲーフォーマットの焼き直しが読者に対しての無邪気な悪意に見えて仕方ないのよね…。Amazonの評価を見る限りみんな評価高いけど、この辺気にならなかったのかしらん。
もちろん、キャラ同士のやりとりを始めとして、最後の永瀬と太一の告白シーンなんかぐっと来たことは確か。太一と青木が入れ替わりでのお約束も下品にならない程度には入れてくれて、にやにやする所もあったけど。とはいえ、心の隙間を埋める話がすぐにメインになってしまうので、あまり萌えられずにもにょる感じはしたかなあ。
あと、女性陣+太一の持つトラウマの内容がかなり興味深い。構成としては、まず初めに男女入れ替わりで一番肉体的な唯の男性恐怖症が来て、姫子の強迫的な完璧主義、そして伊織のアイデンティティの喪失と徐々により観念的なトラウマへと登っていく。心が入れ替わった時に何が怖いだろうと考えて捻り出したアイデアなのかも知れないが、意外と普遍的な悩みのような気がしておもしろい。
そういや、唯、姫子、伊織の精神的な弱さは解消したし、太一の自己犠牲精神は他の誰より伊織を選ぶことで一歩前へ進むことができた。でも青木のって一体何だったのだろう?
しかし、やっぱりイラストの人はぐぐった通りにあの人なのか。まあ、どうみてもけいおんキャラが学園できゃっきゃっうふふしているようにしか見えんなー。文章のうまさもさることながら、この作品はイラストの力も相当大きかった。白身魚の人は忙しいとは思うけど、また別の作品にもイラスト描いてくれないかなーと思ったり。
最後、どちらを選ぶかって所はさすがにぐっと来たけれども、やっぱりそれもいつかは通った未知で。
2010.03.15 | | Comments(0) | Trackback(0) | BOOK
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Author:はしばみゆう
エロゲを始めてはや10年超。数はこなしていないけど、結構長くやっているオタモドキ。
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