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るいは智を呼ぶファンディスク -明日のむこうに視える風-

るいは智を呼ぶファンディスク -明日のむこうに視える風-9点。見せ方よかったなー。構成に目を見張った。

2008年を代表する作品である「るいは智を呼ぶ」のFD。これ、2010年の作品なのよね…。それを2013年になってやっているとは、私って一体…。さぼりすぎ。

ファンディスクっていう名前はついているけれど、実際は本編シナリオを裏で支えていた、央輝、恵、そして真耶姉さんの救済ルート兼背景説明ルートと言っていい。そのシナリオの中に、ファンディスクらしい遊びシナリオを混ぜ込んだ秀逸な作品として仕上がっている。よくできてるよねえ。

本編とこのファンディスクを通してこの「るい智」は完結する。両方通してぜひプレイしてみてほしい。

んじゃ続き。


猫霊島は結構お気に入り。こんな話がオムニバスとして続くのかと思ったら…ねえ。ちなみにこの話は裏設定の掘り起しなのかな?

宮ルートはifルートとしては一番好きだったりする。こんな幸せがあってもいいんじゃないかって思わせる。お約束かもしれないけれど、ロミオとジュリエット的な展開は大好物だ。最後のみんなそろってバンドで〆もいいよねー。そうそう、宮は他のヒロインと比べてばいんばいんなだけにえろいんだよねー。

央輝ルートは、智ちんの「やぁのやぁの、それやぁの」が破壊力すごすぎ。これが、智ちんの声なのか…!! 央輝の裏の顔のお話は興味深かった。それにあの学園の先生にそんな設定があったなんて…。細かい。あと央輝のデレはかわいかった。うむ。

恵ルートは本編での茜子ルートでの恵救済ルートだっけか。あっちは恵はみんなの呪いを解いて自分は死んじゃうんだけど、こっちは恵を取るパターンなのね。恵の罪を共に背負うのを象徴する、新聞記者をぐさりと刺すシーンはどうみても結婚の儀のケーキ入刀を模してるよなー。印象深いきれいなシーンだった。でもそもそもこのシナリオでは前振りみたいに、語り屋が「呪いを解く方法は一つじゃない」とか言ってたのを生かせなかったのはちょっとだけ残念。期待したんだけど。確かにあのEDはきれいだったんだけどね…。

そんでもって最後は真耶ルート。智が告げる、優しく守られた孤独な世界よりも、傷つき裏切られてもみんなのいる世界がいいっていうくだりで、この作品をやっとこさ理解した。作品中幾度となく出てくる「僕らはみんな呪われている」っていう言葉も、RPGでも呪われた装備をつけると外せなくなるみたく「逃れられない絆」だったんだな。人と繋がれない呪われた彼ら7人が強い絆を持つなんて実に皮肉じゃないか。結局未来は本編のENDを迎えるわけではあるが、真耶の弟を思う優しさは十分に伝わってきた。せめて彼女にも救いがあればよかったのだけれども、さすがにそこまでは難しかったらしい。

そして、最後、<同盟>の結成式の場面は最高だった。これからあの本編につながっていくのかと思うと感無量だ。

現実の自分たちのつらい世界への応援歌みたいで勇気をもらった気がした。智の「呪われた世界なんてやっつけてやる」「厄介事を引き受けるほどがんばれる」っていうポジティブな面がとても好きで、だからこの作品が好きなのかもしれない。もう彼らには会えないのだろうが、本当にいい作品に出会えてよかった。

2013.02.12 | | Comments(0) | Trackback(0) | ゲーム

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