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お気に入りのコンテンツや出来事に対して感想を書くブログ。
久しぶりに読んだ一般レーベルの文庫。ミステリー小説にしてはキャラが立っていて読んでて楽しかった。出版レーベルは創元推理文庫で、本来ライトノベル系のレーベルではないのでブログのテーマは小説で。ラノベじゃないのに、あまり本を読まない私にまで情報が来るなんて、ネットの凄さと読者のチェックの細かさにただただ感心するばかり。
本書を読んだ印象は、投げっぱなしの伏線もなく、大して気にもしなかった描写が伏線になっていたりと、結構細かく丁寧に書かれているように思えるかな。この辺はさすがミステリー作家だと感心。あとはキャラ同士のやりとりが軽妙で、ノリがラノベに近いのが本書の魅力だと思う。読書メーターを見ると読者は結構いるようで。
こういうミステリー小説は下手に書くと面白くなくなるかもしれないのがつらい…。一応隠して以下続き。
本書はトリックそのものよりも構成が面白いという印象を受けた。分かりやすいのが、最初のプロローグはちゃんと最後のエピローグで回収されてたり。細かいのは百目鬼先生の不在な理由などもあった。極めつけが、全国ネットされる事件が発生したといって、ほんとに壁男事件を起こすとか。ちゃんと途中で伊神先輩に、壁男の怪談はどうも作り話でない雰囲気がある、と言わせていたりとか細かすぎ。
こんな感じで、さりげなく書いた前置きとかに書いた伏線を使って予想外の展開をしてくれているので、ページ数の割には結構ボリュームあるように感じた。
本書の売りの一つのキャラ立ちは、ディテクティブ伊神かな。お約束の助手役としていぢられ役の主人公葉山くんとのコンビは軽妙で楽しくて楽しくて仕方がない。あとは今回の事件に巻き込まれた柳瀬先輩もいいキャラしてる。特に、柳瀬先輩にお見舞いに花束を持って行くくだりは、柳瀬先輩のかわいらしさが強調されててぐー。一番最初に出てきた秋野がヒロイン格と思ったら、実はヒロインっぽいのが柳瀬先輩だったりとか、この辺のかわし方も変わっているかな。
妙に細かい伏線や楽しいキャラ達に比べて、トリックそのものはあんまり面白くなかったような気がした。所詮高校生の苦し紛れのいたずらなので、トリック自体それほど凝ったものでもないからかもしれない。それに視線や建物などの位置を使ったトリックのため、どうしても読みづらくなるんだよね。まあこれについては頭の悪い自分に対しての言い訳だが(苦笑)。
本書の魅力の半分を占める(!)伊神先輩が3年生でしかも卒業間近なのが気になる。作者の次作である「さよならの次にくる」ではちゃんと活躍してくれるのだろうか。
楽しい作品なのでこのシリーズは追っかけて行こう。
2009.11.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | BOOK
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Author:はしばみゆう
エロゲを始めてはや10年超。数はこなしていないけど、結構長くやっているオタモドキ。
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